超小型1局専用ゲルマラジオ

回路図
超小型1局専用ゲルマラジオの回路図

ゲルマラジオの小型化にチャレンジしました。 ただし、嗜好的なこだわりから、回路本体をケースに収めること、受信性能をなるべく悪化させないことを目標としました。 部品の大きさを考えると、小型化のネックは同調回路(バリコンと同調コイル)です。 そこで、バリコンの代わりにトリマー(半固定コンデンサー)を、同調コイルにNo.88豆コイル(本来の用途は発振用コイル)を使用しました。 同調コイルについては、小型インダクターの使用も考えましたが、タップが取れないので、音量を得るため長いアンテナを接続した場合は選択度が悪化しやすいのに対し、No.88豆コイルはアンテナコイルとしても利用できることに魅力を感じ、採用してみました。 小型化のため、アンテナとアース用の端子部品は省略し、No.88豆コイルのリード線をそのままケースの外に出します。 また、負荷抵抗とイヤホンジャックも省略し、イヤホンのコードを直にハンダ付けしました。 これらの部品を、小さなプラスチックケース(タカチ電機工業製SW-20、W15×H15×D20)に詰め込みました。 ちなみに、イヤホンとイヤホンコードを除いた本体重量は、穴あけ後のケースを含めて約3.6グラムと軽量になりました。

ゲルマラジオ
パーツをハンダ付けした状況
ゲルマラジオ
パーツをケースに詰め込む!

トリマーの調整には、AM6局プリセット式ゲルマラジオと同じく、調整ドライバー(高周波ドライバー)を使います。 実際に使用する外部アンテナとアースを接続し、目的の放送局に同調できたら、調整は完了です。 ちなみに管理人の予定では、L=200μH、C=227〜265pFなので、691 〜 747kHzを受信対象として設計しましたが、実際には浮遊容量(部品配置やアンテナ回路の影響)等で、同調点が下へ移動したようです。 もし、トリマーの調整でも受信範囲をカバーできない場合は、セラミックコンデンサーの容量を変更して対応することになります。

極小のゲルマラジオとは?

ゲルマラジオ
本体はイヤホン並の大きさ

今回のゲルマラジオは、受信できる放送局を事実上1つにすることで、小型な部品を選定し、試作しています。 ところで、コンデンサー、コイル、ダイオード、抵抗器を全てチップ部品にすれば、より小型化を目指せます。 さらに、同調回路を省略してしまえば、受信できる放送局がケースバイケースな極小のゲルマラジオが作れます。 機会があれば、このような極小のゲルマラジオを試作してみたいものです。

ゲルマラジオ
単三の乾電池と並べた様子