検波回路

検波回路は、電波から音声信号を取り出すため、ダイオード(検波器)を使用します。また、受信状況によっては、抵抗器も併用します。

ゲルマラジオの構成

ダイオード

AMラジオの電波は、波の大きさ(信号の大きさ)によって音声信号を表現する振幅変調を使用しています。この振幅変調から音声信号を取り出すことを検波と言い、検波を担当する部品を検波器と言います。

電気が良く流れる物体を導体、流れない物体を不導体と呼びます。 検波回路で使われるダイオードは半導体(電気の流れやすさが中間的な物質)を利用した部品です。 特に、ゲルマニウムを材質に使用したものは、微弱な信号でも検波できることが知られています。 そこで、検波器にゲルマニウム製のダイオードがよく使われていたことから、ゲルマラジオと呼ばれるようになったのです。

ゲルマニウムダイオード
ゲルマニウムダイオード。
赤色の帯がある方向のみ(画面では右側から左側へのみ)
電流が流れます。帯の色や本数は製品で異なります。

抵抗器

ダイオードで検波した直後の信号は、音声信号を含んだ交流成分と、音声の情報を含まない直流成分が混在しています。 特に電波の強い地区では、直流成分が強すぎることで、逆にイヤホンの音量が弱まってしまう場合があります。 この場合、抵抗器を1つ併用することで、直流成分を抵抗器に逃す方法が有効です。

抵抗器の電気抵抗(抵抗値)は、適切な値を選ばないと効果が得られません。 抵抗値が高すぎると効果が不十分であり、逆に低すぎると音声信号までも弱めてしまうからです。 適切な値の抵抗値では、音声波形を滑らかにすることが知られています。

なお、抵抗値はカラーコードと呼ばれる色の帯(通常4本)で表現する場合が多いです。

抵抗器
カラーコード(左から、茶・黒・黄・金の4色)で表示された抵抗器。

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