アンテナ回路

アンテナ回路は、空中を伝わってきた電波をキャッチします。アンテナ回路を構成する、アンテナとアースの説明です。

ゲルマラジオの構成

アンテナ

極端な話、金属物体であれば全てアンテナになります。しかし、電波は「波」の性質があるため、電波の揺れる速さ(周波数)によって、 よくキャッチできる金属のサイズや形状が決まっているのです。 そのサイズはAMラジオ(中波放送)の場合、187〜565メートルに相当します。 しかし、これだけ大きな受信アンテナは、現実的ではありません。 でも、実際には数メートルの電線だけでもアンテナとして効果があります。 そこで、鉱石ラジオやゲルラジオの場合、AM放送の電波をよりキャッチするために「少しでも長く、高く、大きくアンテナを準備しよう」と言われています。

ゲルマラジオで実際に必要なアンテナの長さは一概には言えませんが、放送塔の近く以外では、アンテナ線として数メートルから20メートル程度は必要かもしれません。

室内アンテナ
電線を長く張るとアンテナとして利用できます。木造住宅ならば、
室内にアンテナ線を張っても効果があります。
写真は室内アンテナとして、白い電線を張っています。
ロッドアンテナ
金属の棒が伸縮するタイプのアンテナ「ロッドアンテナ」

アース

ゲルマラジオは、トランジスターラジオのように音量を増やす回路(増幅回路)がありません。 そのため、できるだけアンテナ回路で多くの電波をキャッチすることが大切です。 効率よく電波をキャッチする方法として、トランジスターラジオでは通常使いませんが、ゲルマラジオではアースを使用すると良いのです。

アースは適度に湿り気のある地面に、できるだけ大きな銅などの金属棒や金属板を埋めることで良好に働きます。 市販のアース棒はもちろんですが、例えば、数個の空き缶を電気的につなぎ合わせて地面に埋めても、効果があります。 アンテナと異なり、ラジオからアースまでの電線は、できるだけ短い配線が良いです。

しかし、住宅事情によっては、アースが準備できない場合もあります。 そこでよく使われるのが、水道管アースです。 金属製の水道管は地面を通過するので、これがアースの代役になります。 ただし、途中に塩ビ管などの非金属製のパイプが存在すると、アースとして使えません。

アース棒
市販のアース棒。これを地面に突き刺します。

【実例】 室内アンテナと水道管アース  【注意点】 FAQ(電灯線アンテナ、水道管アース)


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