同調回路2

同調コイルとアンテナコイル、複同調回路の説明です。

同調コイルとアンテナコイル

同調コイルとアンテナコイル

同調回路において、コンデンサーと組み合わせて使うコイルを、同調コイルといいます。 ところで、各人で使用するアンテナやアースが異なるとことは、アンテナ回路の電気的な特性も異なることを意味します。 そのため、異なるアンテナ回路に合わせて、同調回路が効率よく信号を受け取る方法として、同調コイルにタップを設けて接続する方法と、アンテナコイルを使う方法があります。

タップとは、コイルに巻かれた線の途中から接続する端子のことです。 複数のタップを設けてアンテナの接続を切り替えると、音量が増したり、混信が減ったりします。

アンテナコイルはアンテナとアースの間に接続し、同調コイルの隣に配置して使います。 すると、アンテナコイルに信号が通過することで磁力が発生し、この磁力が同調コイルを通過することで同調回路に信号が伝わります。 通常、同調コイルとアンテナコイルは別々に製造せずに一体の部品として作られますが、アンテナコイルは分類上、アンテナ回路に含まれます。

複同調回路

複同調回路

放送塔に近い場合など、特に電波が強い地域では、受信周波数を変更しても強い電波を受信してしまい、他の弱い電波の放送が聞こえにくくなる現象が生じます。他の周波数まで受信してしまうことを「混信する」「分離が悪い」と表現します。

通常、混信する場合はアンテナに接続する同調コイルのタップを切り替えたり、アンテナコイルの巻き数や同調コイルとの配置距離を調整することで、分離が良くなります。

それでも分離が悪い場合、解決方法の1つとして複同調回路の使用があります。 1つの同調回路で分離が悪いならば、同調回路を追加して、同調を2回行なうことで分離度を向上させる考えの回路です。 この際、2つの同調回路は、電気的に適当な強さで結合することが必要です。結合が弱い場合(疎結合)、信号の損失が多くなります。 結合が強い場合(密結合)、受信周波数からズレた上下の周波数で共振が強くなってしまいます(双峰特性)。 つまり、ほどよい結合(臨界結合)によって、受信周波数に共振が強く現れます(単峰特性)。 2つの同調回路は、コンデンサーを経由して結合する方法と、同調コイルを適度に近づけて電磁気的に結合させる方法があります。

なお、2つの同調回路の両端を直接電線で接続してしまうと、1つの同調回路と同じ意味になり、同調を2回行なうことにはなりません。 また、コンデンサーで結合させる場合は、コイルが電磁気的に結合しないようにコイルの配置に注意が必要です。



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