室内第2アンテナの増設
ゲルマラジオは増幅回路を持たないため、受信環境に恵まれないと、音量に不満を感じてしまいがちです。 飛来する電波が弱い場合、最初にアンテナ回路の強化を検討すべきでしょう。 ループアンテナを使用するゲルマラジオの場合、そのループの大きさが重要な要素の1つとなります。
ループアンテナの大型化を目指すと、その大きさに見合うループ枠の強度が必要になります。 また、普段はコンパクトに収納できないと、部屋が片付きません。 できるだけ大きなループアンテナを作りたいと考え続けた結果、部屋の壁面にループアンテナを配置する考えにたどり着きました。 これなら強度不足の心配も無く、常時使用可能であると同時に、収納済みの状態です。
壁ループアンテナの長所・短所
壁面に配置するループアンテナは、凄く高性能なアンテナになると期待されるのですが、管理人の場合は悪条件が2つほどあります。
壁ループアンテナは、室内最大級の大きさが得られる長所と、ループアンテナの指向性が固定されてしまう短所があります。 管理人の場合、指向性の向きが放送塔に対して約40度も異なる配置関係になります。 これは最悪です。
もう1つは、家庭不和を防ぐため、インテリアを損なうことができない事情があることです。 ループアンテナ(コイル)の分布容量を減らすため、スパイラル巻を採用したいところですが、目立たないように全て束ねて巻くことにします。 使用する電線も従来の室内アンテナと同じく、被覆が白い電線(2.0φのVFF)です。
室内アンテナの配置イメージ。緑色が第1アンテナ(ロングワイヤー型)、赤色が第2アンテナ(ループ型)。
さて、設置の状況ですが、長所であるループの大きさは2.5×3.5m、巻数は3ターンとしました。 今後の利用を考えて、巻数の可変、タップ出力、同調・非同調利用の切り替えが行ないやすいように、1ターンごとにターミナルに接続しました。
ちなみに、壁面中央には1.25×1.65mのアルミ製ブラインドとアルミサッシ窓が存在しています。これらの条件で、ループアンテナのインダクタンスは約150μH、分布容量は約165pFあるようです。また、従来の室内アンテナ(ロングワイヤー型)ですが、壁ループと重なり合う箇所を撤去したことから、水平部分は19mから16.6mに減少しました。第2アンテナは設置条件が悪いですが、これで2系統のアンテナが利用できるようになったので、工夫を凝らしたゲルマラジオを試作したいと思います。
画面左側が第1アンテナの末端、右側が第2アンテナのループ。
目立たないよう、3ターン束ねて巻いています。
第2アンテナの壁ループは、1ターンごとにターミナルに接続。
タップの電線も2.0φのVFFです。
【参考】 デュアルAMゲルマラジオ など(第1アンテナと第2アンテナの同時利用例)
壁ループ・ゲルマラジオ(第2アンテナの使用例)